広告代理店の営業と運用の違い|両方やるから市場価値が高まる理由

目次

📌 はじめに:営業と運用を両方やった私の結論

広告代理店に入った方からよく聞かれる質問のひとつが「営業と運用、どちらのキャリアが良いのか?」というものです。

私は1社目で半年のテレアポ営業→半年の運用を経験し、2社目で大手広告代理店に転職してからは営業を中心に担当。その後は総合広告代理店へ出向もしました。この経験から強く思うのは「営業と運用の両方を経験したことで市場価値が高まった」ということです。

営業だけをし続けていても実運用のことがあまり分からずとなってしまいます。特に昨今は大手専業代理店で揉まれ続けた優秀層が事業主サイドに転職している、というケースも多く、営業より知識がある、という状態だと話しにならないです。

一方運用だけを行っている層だと事業主サイドの思いや背景があまり分からないor分かっていても運用者からすると他人事、となってしまい冷たい対応ばかりをする運用者になってしまったりします。特に大手になればなるほど運用者の縦割りが多くなるため、1媒体の事しか知らないがゆえに提案力がつかない、というケースも多くあります。

事業主サイドが求めているのは「媒体毎での最適化」ではなく、「案件全体での最適化」である事は間違いないです。そのため、営業、運用どちらかだけをやるのではなく、どちらも経験をする事で市場価値が最大化すると結論付けています。特に20代のうちにどちらもできるようになっているとWEB広告業界では無双できると思います。

💼 営業と運用の仕事内容の違い

営業の役割とは

営業はクライアントの窓口として課題をヒアリングし、案件全体を見て提案・調整・契約・進行管理まで幅広く担当します。社内外をつなぐハブ的な存在です。

私自身、1社目では半年間「リストなしで毎日企業を検索し、電話をかけ続ける」テレアポ営業を経験しました。結果として契約は2社ほど。体力的にも精神的にも非常にハードでした。(少なくともテレアポは向いていない人間でした。)

一方で2社目では大規模案件を担当し、総合広告代理店と協業。年次や役職に関係なく調整を求められる環境で、営業としての提案力・説明力が鍛えられました。

運用の役割とは

運用は日々の広告入稿、入札調整、予算管理、レポート作成、改善提案などを担います。営業が取ってきた案件を実際に成果に結びつけるポジションです。

運用というポジションはWEB広告業界特有のポジションではあり、聞き馴染みがない方からするとそもそもどういったポジション?となると思いますが、いわば企業の「商材力」ともなるポジションです。営業が取ってきた案件でも、運用力が低ければ前代理店の方がパフォーマンスが高い、という理由ですぐにリプレイスされてしまいます。

私は1社目で半年間運用を担当しました。管理画面の仕組みを理解できたことで、その後営業としてもクライアントの質問に即答できるようになり、大きなアドバンテージになりました。2社目でも基本的な考え方などは運用者研修に混ぜてもらったりで勉強ができたのはとてもよかったです。

⚠️ 営業だけ・運用だけのキャリアの落とし穴

営業だけの人材が抱える課題

営業だけのキャリアを歩むと、広告主からの質問を「運用者に確認します」と横流しするだけの存在になりがちです。

私自身、営業だけをやっている人が現場で信頼を得られず、ただの伝書鳩になってしまうケースを多く見てきました。逆に大手になればなるほど縦割りが進んでいる事もあり、なんのためにいる営業なの??という声を良く聞いていました。

運用だけの人材が抱える課題

一方で運用だけを担当していると、クライアント調整や責任感を持たない「数字だけを見る人材」になってしまうこともあります。

実際に、営業を理解しないまま「自分のやりたい施策」だけを押し付けるために施策が進まない、ひどいケースだと「改善策はありません」という運用者もあります。(私自身2社目ではこの点でとても苦労しました。。大手になるほどCRは完全に切り離されていたりするので、結果的にCRの改善がしたいならCRチームでやってください、CRチームからするとそもそもどういった数値感になっているかが分からない、などで案件が崩壊していた事もあります。)

🚀 営業と運用を両方経験するメリット

キャリアの選択肢が広がる

両方を経験することで、将来的に営業特化・運用特化のどちらへも進めます。さらに事業会社マーケ、コンサル、媒体社といったキャリアパスも描きやすくなります。(もちろん営業のみ、運用のみでも記載した業界への転職を叶えていた人はいますが、両方した方が確実に良いです。)

市場価値が高まる

営業の視点を持つ運用者、運用の知見を持つ営業は実は非常に希少です。

私自身、1社目の両方経験があったことで大手代理店への転職を勝ち取り、年収も200万円ほどアップしました。また、総合広告代理店への出向でも両方知っていたことで調整がスムーズに進み、社内外ともに信頼を得る事ができました。

🎯 20代でキャリアを始める人へのアドバイス

最初は営業と運用の両方をやれる会社を選ぶべき

どちらか一方だけを最初に選んでしまうとキャリアの幅が狭まります。

私が転職活動をしていた際も、営業と運用どちらも経験できる環境を推奨されました。両方の視点を持つことが、市場価値を高める一番の近道だからです。

その後は方向性を定めることが重要

両方経験した上で、自分がより得意・好きだと思える方向に進めば良いと思います。営業であれば提案力を伸ばす道(やはり自分の提案で大きな案件が取れた時は大きなやりがいがあると思います。)、運用であれば数字改善や施策設計を突き詰める道があります(個人的な主観でしかないですが、直近は幅広い媒体の運用をやれる方の方が重宝されている印象はあります。)。ただし最初に両方やっておくことで、選択肢の幅が全く違ってきます。

✅ まとめ:両方経験したからこそ言えること

広告代理店のキャリアは「営業か運用か」で悩む人が多いですが、結論としては両方やるのがベストです。営業だけ、運用だけでは成長が止まりやすく、クライアントからの信頼も得にくい。両方を経験することで市場価値が高まり、キャリアの可能性が一気に広がります。

これから広告代理店を目指す20代の方には、ぜひ営業と運用の両方を経験できる会社を選んでほしいと思います。特に運用を経験する際はどれだけの規模感の案件ができるか、何社くらい担当するのか、媒体は幅広く扱わせてくれるのかという視点を持っておくと良いです。大手だと月数千万〜数億といった規模感で運用をする事はザラにあるため、小規模案件ばかりやる運用会社だと成長はしづらいです。大型案件ができる環境を求めましょう。また一人で10社とかを超えてくると現実的に改善策なんて考えている余裕はなくなります、媒体についても1媒体しか経験できないとなるとかなり厳しいです。理想はGoogle,Yahoo,SNS広告全般を幅広く運用できる会社だと思います。

❓ よくある質問(FAQ)

営業と運用、どちらから始めるのが良いですか?

私の経験上は「運用から入る」か「営業+運用を兼務できる会社」がおすすめです。仕組みを知らない営業は横流しになりがちだからです。

片方しかやっていないとキャリアに不利ですか?

不利とは言いませんが、自分の市場価値を伸ばしたいならまずは両方の経験をおすすめします。周りを見ていても両方できる人とそうではない人では差があると感じています。

総合広告代理店とWEB専業では違いがありますか?

総合はTVやPRなど幅広い領域に関われる一方で、まだまだTV偏重な現場が多いと思います。主な理由としてはTVの場合、TV-総合代理店という座組になり、WEBの場合は媒体-WEB代理店-総合代理店という座組になるので、1社挟まる分手数料などに影響が出るということで、一番高くできるTVを総合は優先したい、という事だと思います。(あくまで偏見が入ります。)WEB専業は広告で一番成長しているWEB広告という部分で圧倒的専門性がつく、かつ広告のチューニングには複雑な流れもあるため、そういった知見がつく事はとても良いと思います。(どちらが市場価値が高いか、と言われると難しい所です。)

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