大手WEB広告代理店と小規模WEB広告代理店の違い|業界6年の著者が語る転職検討時のアドバイス

この記事では「大手WEB広告代理店と小規模WEB広告代理店の違い」について、業界経験者の視点からリアルをまとめています。
私はこれまで、従業員10名ほどの小規模WEB広告代理店でキャリアをスタートし、その後大手WEB専業代理店で勤務しました。大手WEB専業時代では、総合広告代理店への出向も複数経験し、様々な代理店の現実を見てきました。
環境が異なる複数の「WEB広告の現場」を渡り歩いてきたからこそ、この記事では転職で悩む方にリアルな情報をお届けできると思っています。

目次

📌 はじめに|大手と小規模、どちらが良いか悩む人へ

まず大前提として、WEB広告代理店は“大手か小規模か”で優劣がつく業界ではありません。どちらにも強みと弱みがあり、最終的には「どんなキャリアを描きたいか」によって選ぶべき道が変わります。
また、本記事の内容は私が実際に経験して感じたことをベースにしており、すべての企業や環境に当てはまるわけではありません。
ただ、多くの転職相談を受けてきた中で、業界に共通して存在する傾向は確かにあると感じています。転職検討の材料として活用していただけたら幸いです。

🏢 大手WEB広告代理店の特徴

大手WEB広告代理店で扱う案件は、年間数千万〜50億円といった規模のものが多く、テレビCMを中心としたマス広告がメインの代理店では、WEBが補完的な扱いになることもあります。私が出向していた代理店では、全体予算で年間数千万〜40億円、WEB単体でも年間数千万〜10億円といった規模でした。(超大型案件がある部署ではなかったです。)

WEBだけでも年間数億規模案件になると、関わる部署の数は一気に増えます。営業だけでも3〜4名、別途メディアプランナーやストラテジックプランナー、クリエイティブなどが加わると、気づけば十数名規模のプロジェクト体制になっている、ということも珍しくありません。

また大手では業務が細分化されやすく、一人ひとりが「自分の領域を深く担当する」構造になりがちです。それは、誰か一人のスキルに依存した組織にしないという狙いや、大規模な案件を大人数で回すために必要な分業体制が整備されているからです。結果として、大手では専門性を深く磨く環境が整っています。
ただ今はどの代理店でも越境をしていこう、という動きは多いので、気づけば営業ではなくストプラやクリエイティブが案件を実質仕切っているという事もあります。

大手では特に独立がしづらいような分業体制になってしまっているとは感じます。

🏠 小規模WEB広告代理店の特徴

一方、小規模WEB広告代理店では、案件規模は年間150万円〜数千万円ほどが多く、より多くのクライアントを同時並行で担当するケースが一般的です。

私も1社目では、営業から運用、クライアントワーク、改善提案までをほぼ一人で担当する状況でした。とはいえクライアント集めのためのテレアポが中心になり、なかなか運用の経験を積めずに転職時に苦労したこともあります。

しかし、小規模代理店の魅力は「スキルの幅が圧倒的に広がること」です。営業と運用の両面を経験できる環境であれば、クライアント獲得から数値改善まで一気通貫でできる力が身に付き、市場価値が一気に高まります。私が2社目で出会った「営業と運用が両方できる人たち」は、その後のキャリアで本当に選択肢が広くなっていました。(私はあまり運用を専門にやっていなかった分とても苦労しました。。)

小規模の魅力は“広さのスキル”で、大手の魅力は“深さのスキル”。ここは本当に対照的です。

🧠 求められるスキルの違い

大手代理店では、関係者が多いからこそ「人を巻き込む力」や「分業に対する意識」がとても重要になります。自分の領域を深く理解し、クリエイティブやストラテジー、営業と連携しながら動いていく必要があります。また、ブランド案件に携わる機会も多いため、ブランド認知や上流の戦略を理解する姿勢も欠かせません。

特に自分が抱え込みすぎたがゆえに案件が回らなくなったり、共有ができてなく社内メンバーからの信頼を失ってしまうということはあるあるとなります。

反対に小規模代理店では、1人で全てを完結させる推進力が求められます。獲得系の案件が中心となるため、数字を追いながら改善していく実行力が必要です。時には担当外の業務も自分が巻き取る必要があるため、良くも悪くも“泥臭さ”が求められます。

自分の同期はSEO受注したものの、外注できるような費用感ではなかった事で自分で記事作成からコンサルまでを行うメンバーもいました。(それだけ目の前のお金を拾いにいかなければ行けなかった環境なのを記事を書きながら思い出します。笑)

📈 キャリア形成の違い|市場価値はどちらが上?

大手WEB専業代理店からのキャリアは広く、総合広告代理店の最大手や媒体社、あるいは広告主側のマーケティング職など、多様な選択肢に進む人が多いです。
一方、小規模WEB専業からは、大手へのステップアップだけでなく、フリーランスとして独立する人が非常に多い印象です。

WEB広告は個人でも媒体を直接買い付けられるため、総合代理店に比べて、独立しやすい業界構造があります。例えばGoogle広告やYahoo広告、各種SNS広告などは、やろうと思えば誰でも広告配信ができるほど敷居が低いです。小規模代理店で営業〜運用〜制作ディレクションまで幅広く経験している人は、そのスキルのまま自然と独立に移行できるケースが多いのです。

また、WEBマーケターとして有名な運営堂代表の森野 誠之(もりの せいじ)さんやマーケティング大学の桜井 茶人(さくらい さと)さんのように、実は大手出身ではない人が多かったりします。
(※完全にバックグラウンドを把握しているわけではないため、参考程度にお読みください。)

こうした背景から、市場価値は“大手が上・小規模が下”ではなく、それぞれが全く異なるキャリアの方向へ進みやすいだけと考えています。
もちろんサイバーエージェントのように独立文化がある大手もありますので、その点は転職や就職活動の中で働いている方々やエージェントさんと話しながら一社ごとの理解を深めていく必要があると思います。

💼 働き方・文化のリアル

意外かもしれませんが、働き方や文化は大手と小規模で大きく変わるわけではありません。広告代理店業界全体として、クライアント依存の働き方や飲み会文化が根付いているため、規模が違っても似たような空気感になる事が多いです。

逆に文化面は大手小規模という括りよりは、働くメンバー次第という側面が強いと思います。(事実私自身複数部署を経験しましたが、部署により働き方も文化も異なっており、大手と小規模という括りではないと感じました。)

労働環境も「案件次第」がすべてです。
大手だからホワイト、小規模だからブラック、という分かりやすい構造は存在しません。若干小規模の方が担当案件数が多くなるため、落ち着く時間が少ないという肌感覚はありますが、他記事でも記載しているように大手であっても部署によってはずっと働きます。

飲み会に関しては、人数が多い分、盛り上がりが大きくなりやすいのは大手かもしれませんが、最終的には“誰と働くか”で決まります。同じ会社でも上司によって文化がガラッと変わるのがこの業界の特徴です。(逆にいうと中途も多い業界構造だからこそ、わかりやすい文化が形成されづらい、というのは特徴かもしれません。)

✅ 結局どちらがおすすめ?(結論)

元も子もない話しにはなってしまいますが、WEB広告業界でキャリアを築くのであれば、まず「自分が将来どうなりたいのか」を明確にすることが最も重要です。(とりあえず大手、ではないのがこの業界の特徴だと思います。)

キャリアアップ目的で転職していきたい人なら、サイバーエージェントやHakuhodo DY ONE、セプテーニ、オプトといった大手WEB専業からスタートするのが合理的です。サイバーエージェントは独立者も多いと聞きますので、幅広いキャリアが描ける環境かもしれません。(あくまで参考までに。)

逆に、最初から独立を視野に入れていたり、広い業務領域を経験したいなら、小規模代理店の方が成長のスピードは速いでしょう。ただし、会社によっては営業と運用が完全に分業されていたり、案件規模が小さすぎるケースもあるため、企業選びは慎重に行う必要があります。年間予算が6,000万〜1.2億ほどある会社の方がバランス良く経験が積めると感じています。また営業から運用までを幅広く、となると5社以上を担当するとなると厳しいのでは?という肌感です。(とはいえ私は2社目で営業のみであったにも関わらず、1案件が限界、というくらい厳しい案件もあったので参考までに。)

❓ Q&A|よくある質問

Q1:大手と小規模、どっちがキャリア的に有利ですか?

A:自分の行きたいキャリア次第になります。WEB広告業界は安易に大手に入れば良い、という業界ではないため、独立志望が高いなら独立している人が多い会社に入るのが良いと思います。一方転職なども行っていきキャリアの選択肢を広げたいならまずは大手が良いとは思います。

Q2:年収が高いのはどっちですか?

A:平均年収は大手の方が良いと思います。ただWEB広告は業界として、そこまで平均年収が高くない水準だと思いますので、WEB広告の知見を活かして電博などの総合広告最大手やコンサル業界、独立といったより年収が高い環境にいく事が年収を上げやすい手段だと思います。今の時代WEBに関する知見はどこでも重視されているので、比較的転職はしやすい業界だと思います。

Q3:仕事は大手の方が楽なんですか?逆に激務ですか?

A:大手、中小関係なく案件次第になります。大手であっても土日勤務や深夜労働はいまだにあるのが現実です。(もちろんそこで得られる経験は今後のキャリアにおいて圧倒的な武器になると思います。)

Q4:小規模から大手へのステップアップ転職は可能ですか?

A:可能です。私自身最初はテレアポのみを行う従業員10人ほどの小規模会社から始まりましたが、そこで得た経験を武器に大手へのステップアップ転職ができました。周りには独立した人も多く、小規模代理店の独立のしやすさはそこで感じました。

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